「アラサー」という言葉にあなたはどんなイメージを持っていますか?
「アラサーになってしまった」
「独身アラサー」
など、アラサーと組み合わせになる言葉はどことなくネガティブな印象を抱くものが多いですよね、それに影響されてあなた自身も「アラサー」にネガティブな印象を持っている人は多いはず。
しかし本当にアラサーはネガティブな年代でしょうか?
そこで、今回は「アラサー」について
- どんな定義なのか
- どんな年代なのか
- アラサーの位置づけ
など「アラサーとは?」を改めて把握し、決してネガティブなだけではないアラサーをご紹介していきます。
目次
そもそも「アラサー」の「アラ」は何の略?どんな意味?
ではまず、「アラサー」とはそもそもどういう意味なのか。知っている人も、知らない人も今一度正確な「アラサー」の意味を確認しましょう。
アラサーの「アラ」は「around(アラウンド)」の略
アラサーの正確な意味を確認するために、まずWikipediaで確認してみました。
アラサーとは、和製英語の「around thirty」(アラウンド・サーティー)の略で、30歳前後の人のこと。
2006年頃に生まれた和製英語で2005年11月に創刊した女性雑誌『GISELe』(ジゼル・主婦の友社)が具体的な年齢を出さずに年齢を伝えるために使い始めたのが始まりといわれ、正確に英語で伝える場合は“around the age of 30”となる。もともとは女性に対して使われていたが、その後男性に対しても使われるようになった。
<ウィキペディア (Wikipedia): フリー百科事典より引用>
「アラサー」の「アラ」は「around」「周りに」とか「周辺」などの意味合いをもつ英単語です。
つまり、「30歳周辺の人」が「アラサー」です。
2006年に30歳前後の女性を指す言葉として生み出された「アラサー」は、当初は女性を指す言葉でしたが、男性にも使われる言葉になっています。
「アラ」の定義は諸説あり
「30歳周辺」の人を表す「アラサー」ですが、一体何歳から何歳が30歳の周辺なのでしょうか。「アラサー」の範囲には2つの説があります。一つは「四捨五入説」「二つ目は前後3歳説」です。
一つ目の「四捨五入説」です。この場合は四捨五入なのでアラサーは30歳を挟んだ5年の25〜34歳ということになります。
しかし、「25歳でアラサーとは早すぎる」「幅が広すぎると区切る意味がないのでは?」とも考えられますよね。
その場合は二つ目の「前後3歳説」もあります。「前後3歳」というのは30歳を挟んだ前後3歳なので27歳〜33歳をアラサーの範囲としています。
確かに「前後3歳説」の方が、範囲が狭まることでより「アラサー像」が絞られる感じはしますよね。
また「前後3歳説」の場合、「アラサー」の次の「アラフォー(around40)」までの34歳〜36歳の期間には何か別の呼称があるのか調べてみましたが、特に無いようです。
また、少数派ですがさらに範囲を狭めて「前後2年」と捉える考え方もあるようで、「アラサー」の範囲に関して明確な線引きはありません。
アラサーだけじゃない!アラフォー、アラフィフ、アラカン・・・他年齢層にも「アラ」がある
「アラサー」は3歳の前後3〜5年を指すことはわかりましたが、実は「アラサー」の他にも20代〜80代まで年齢層を表す言葉があるのをご存知ですか。
せっかく「アラサー」の定義をご紹介したので、ここで合わせて他の年代を表す言葉もご紹介します。
<アラサーを除く、他の年代の「アラ」表現>
- 20歳の前後3〜5歳・・・アラハタ(aroundハタチ略)
- 40歳の前後3〜5歳・・・アラフォー(around fortyの略)
- 50歳の前後3〜5歳・・・アラフィフ(around fiftyの略)
- 60歳の前後3〜5歳・・・アラカン(around還暦)
- 70歳の前後3〜5歳・・・アラセブ(around seventy)/アラコキ(around古希)
- 80歳の前後3〜5歳・・・アラエイ(around eighty)/アラサン(around傘寿)
- 90歳の前後3〜5歳・・・アラナイ(around ninty)/アラソツ(around卒寿)
60代からは長寿祝いの名称を省略して使う方法もあります。
もともとは「アラサー」から始まった年齢層を表す言葉ですが、現在では20代以降各年代を表す言葉として世間に浸透してきています。
アラサーは女性に使う言葉?男性にも使う?
先にご紹介した通り、女性誌が30歳前後の女性を表す言葉として作った造語が「アラサー」です。
もともとは女性誌で「特定の年代の女性を指す言葉」でしたが、現在では「アラサー男子」「アラサー男性」という言葉も散見するようになり、30歳前後の男性を表現する言葉にもなっています。
女性と男性では「アラサー」の捉え方に違いがある
女性にも男性にも使うようになった「アラサー」という言葉ですが、同じ年齢層を表す言葉なのに男女でとらえ方に多少違いがあるようです。
男性は「アラサー」という言葉を、「年齢層を表す言葉」として額面通りに受け取る傾向があるのに対し、女性は「アラサー」という言葉を「20代までの若さや自由を失う」ようなネガティブなイメージを抱いている人が多いようです。
20代と比較して、30代は社会的責任が増すのに比例して収入も増える年代ですが、一方で「疲れが抜けにくくなる」「ダイエットしても痩せない」「肌のハリがなくなってくる」など「身体的な衰え」をなんとなく感じ始める年代です。
身体的な変化はアラサー世代の男女ともに現れますが、特に女性はちょうど「アラサー」と言われる時期からそういった変化を感じ始めるため、「アラサー」と「老いのスタート」が直結したイメージになりやすいようです。
そんな訳で、男性のみなさんはアラサー世代の女性に対して、わざわざ「アラサー」とつけるのは、気分を悪くする女性もいるかもしれません。ご注意を。
アラサーのリアルライフはどんな感じ?
ここまでは「アラサーという言葉」について、意味や背景をご紹介してきました。
ここからはアラサー世代とは実際のところどんな世代なのかご紹介します。20代の人はこれから迎えるアラサー世代のイメージ作りの参考になさってください。
アラサーを対象にした雑誌
アラサー世代をわかりやすくイメージするために、アラサー世代向けの雑誌に目を向けてみましょう。雑誌はその世代の関心ごとを盛り込んだものなので、目を通せば対象としている世代の「リアル」と「理想」がわかります。
<アラサー女性向け雑誌の一例>
- InRed・・・30代のいわゆる「オトナ女子」向けファッション誌。ファッション、ビューティーの話題中心に掲載。
- LEE・・・20代〜40代の家庭のある女性向けライフスタイルマガジン。ファッション、暮らし、子育てなど幅広い話題を掲載。
- Steady.・・・20代〜30代の働く女性向けファッション誌。ファッションだけでなく、自己実現やマネーの話題なども掲載。
女性誌に関しては、20代後半が読み手のターゲットに入って来ると「マネー・結婚・家庭・出産・育児」といったファッションやビューティー以外の話題も増えてきます。
これはリアルなアラサー世代が、結婚とそれに付随する家庭や育児など、新たなライフスタイルを模索する時期を迎え、関心をもつことが多岐に渡るためと考えられます。
一方、アラサー向けの男性誌は一例として以下のような雑誌があります。
<アラサー男性向け雑誌の一例>
- Men’s JOKER・・・「スタイルある30歳になろう」というキャッチコピーがつく雑誌です。30歳前後の男性をターゲットの雑誌。ファッションの話題中心。
- MonoMax・・・20代〜40代の男性ターゲットのトレンド雑誌。腕時計、鞄、家電などトレンドの「モノ」に焦点をあてて掲載。
- UOMO・・・30代〜40代向け男性ファッション誌。ファッションの他、トレンドの話題も掲載。
女性誌はファッションの話題のあとにマネーや家庭がテーマのページが盛り込まれることがあるのに対し、男性誌はそういった現実的の話題が少ない印象。
マネーやビジネスに関しては、専門の雑誌を手に取る場合が多いようです。
もちろん、アラサー男性もアラサー女性と同様、結婚などのライフイベントを迎える人が多くいます。しかし、女性は結婚や妊娠・出産で生活が一変するのに対し、男性はライフイベントが普段の生活に及ぼす影響が軽いため、関心事にあまり変化が生じないのかもしれませんね。
さまざまなライフイベントがあるアラサー世代の関心ごとが、雑誌のテーマで垣間見ることができますね。
アラサーの仕事や社会的立場とライフイベント
アラサー世代男女の関心ごとを雑誌の観点から見てみましたが、実際のアラサー世代は社会的にはどんな立ち位置にいるのでしょうか。
10代の終わりや20代前半で社会に出て働き始める人が多く、アラサー世代は社会人経験が5〜10年位経つ頃です。
社会人としての経験を積み、責任あるポストを任させたり、経験を生かして独立を考えているならそれが現実味を持って検討できる頃でもあります。
仕事に対する心の余裕も持て、仕事を始めた頃に比べると自由にできるお金も増え、生活の変化や仕事に翻弄される時期から、「自分の生活や人生を多少はコントロールできる」という感覚が持てるのはアラサーの時期からではないでしょうか。
仕事が充実し社会的な充実感を感じる一方で、
- 結婚
- 妊娠
- 出産
などのライフイベントを選択した女性は仕事を辞めたり、仕事の仕方の変更を余儀なくされることがあるのもアラサー世代です。
同じように学生時代を過ごしてきた仲間とも、20代の経験やアラサー時代の選択でその先のライフスタイルがさまざまに分岐し、人間関係に変化が起きることもあります。
このように、アラサー世代は公私共にさまざまな「選択」があり、それは人生に中盤以降を方向付ける重要な選択になる場合もあります。
アラサーは「around the age of 30」の略 年齢層を示す言葉に過ぎない
今回は「アラサー」について、改めて定義を確認し、どんな年齢層なのかご紹介してきました。
「アラサー」とは、もともと女性誌から生まれた造語で「around the age of 30」の略。30歳の前後3〜5歳の年齢の人を指す言葉でした。
特に女性にとって「アラサー」という言葉は「老いの始まり」のイメージと直結するためネガティブな印象もあります。
しかし社会人として経験を積む中で、仕事自体が面白くなったり、収入が増えれば自由になるお金が増え、そのお金を元に自分の興味あるものを自由に楽しむことができるのもアラサー世代の醍醐味です。
「アラサー」とひとくくりにされても、その中でなにを選択し、どういう生きるかを決めるのは当事者次第。「アラサー」とは年齢層を示す、ただの言葉の過ぎません。
自分がその当事者になった時に悲観したり諦めたりする必要はありません。
アラサーになれば、アラサーだからこそできることや楽しみが多くあります。ぜひ、ポジティブなアラサーライフを楽しんでくださいね。